オリンピックと保科正之と核

9月27日・東京新聞読者投稿欄より引用。

 十九日付け「こちら特報部」で、東京五輪開催決定を機に江戸城の天守閣を再建しようとの機運が盛り上がっているとの記事を読んだ。江戸城天守閣は1657年の明暦の大火で焼失したが、再建は三代将軍家光の異母弟、保科正之の英断により中止になったという。
 理由はこうだ。「天守閣にかけるお金があるのなら、その費用を民の救済に使うのが筋ではないか」。やがて江戸庶民の生活は安定していく。保科は三百年続く徳川幕府の基礎をつくった名君と言われている。
 さて今、日本に保科がいたら、どうしただろうか?東京五輪招致決定に乗じて天守閣を再建しようとしただろうか。否、きっとこう言ったに違いない。「天守閣にかけるお金があるのなら、そのお金を東北被災地の復興、福島第一原発の汚染水問題解決のために使うのが筋ではないか」と。
 東京五輪、リニア構想、江戸城天守閣・・。時が時であれば私も賛同し応援したいプロジェクトばかりだ。だが、今はそれらにお金をつぎ込むときでは絶対ないはずだ。しかも、国の借金は一千兆円超。近い将来。巨大地震が来るともいわれている。日本人は、お金をつぎ込むところを間違っていないか?
<未完>
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