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ザマナイ~時代よ!~

 

【訳詞】高橋朋子
【作曲】T.Muhamad Janov

1.健やかな子らは なぜ消えた
  風になびく髪は なぜ消えた
  心ないしうちよ ザマナイ
  ザマナイ ザマナイ
  清き故郷はなぜ消えた

  哀れなるわが大地
  数え切れぬ 爆発 閃光に
  引き裂かれたわが心よ

2.父祖の眠る地を壊して
  豊かな大地を汚して
  罰として苦しみ続けよと?
  ザマナイ ザマナイ
  ひとの誇りよ 今いずこ

  哀れなるわが大地
  数え切れぬ 爆発 閃光に
  引き裂かれたわが心よ
        

      哀れなるわが大地
  数え切れぬ 爆発 閃光に
  引き裂かれたわがふるさとよ

 

2009年夏、NHKで放映されたドキュメンタリーでこの曲が演奏されて、いい曲だな、と思ってましたが、それっきりになってました。
ところが、世の中、よくしたもので、これを契機に、原詞を取り寄せて、翻訳して自ら歌っている方がコツコツと草の根の活動をされていたのですね。

今週のうたごえ新聞(2011年10月10日号)の1面のコラムでこの曲が紹介されています。
旧ソ連による核実験は1949年8月29日から700回以上も行われ、その内訳500回がカザフスタン国内で、その内の9割がセミパラシンスク核実験場で行われています。
当時、その地方では様々なガン、免疫力の低下、新生児の奇形・死亡などが増加。しかし、住民は原因不明の健康被害程度にしか考えていませんでした。
しかし、1989年にカザフスタンとアメリカのヒバクシャが核実験反対運動に取り組み、ネバダ・セミパラチンスク運動と呼ばれています。
この運動なかで、住民たちは、これまで原因不明とされていたものの原因を知らされ、怒りを爆発。
核実験場反対は、この「ザマナイ」の歌と共に、カザフスタン全土に広がりました。
そして、1991年8月29日、とうとう核実験場は閉鎖されることになります。ソ連崩壊の4ヶ月前のことでした。